概要
出雲平野に建つ、4人家族のための住宅。
依頼前にご要望や好きなデザインなどを紙にまとめていただいていたので、スムーズに設計を進めることができた。
ご家族の希望もあり、敷地周辺の田園風景に馴染むよう平屋とし、建物の高さがなるべく低くなるよう計画を進めた。
アウトドアが好きなご家族のために外部とのつながりを大切にすることと、出雲地方特有の強い西風との折り合いをつけるため、外周部の開口部はなるべく小さくし、建物中央に配置した中庭に大きく開く平面計画とした。西風が強い日も、建物上部を吹き抜ける風が中庭の空気を吸い上げることで、穏やかに換気することが可能となった。
高気密高断熱仕様にすることは、基本計画がまとまった時点で提案をし、了承いただいた。平屋で中庭があるという熱的にはかなり不利な計画が、気密断熱性を高くすることでどこまで快適になるのかという挑戦でもあった。
断熱仕様は、床:フェノールフォーム保温板100㎜、壁:充填グラスウール105㎜+付加断熱グラスウール105㎜、天井:吹込みグラスウール300㎜とし、開口部はアルミ樹脂複合サッシのトリプルガラスとした。結果、Ua値0.3というHEAT20 G2レベルの高い外皮性能が得られた。
気密性については気密シートの室内側に配線層を設けることで、電気配線等が気密ラインを貫通することを極力避ける設計とした。丁寧な施工もあり、竣工後の測定でC値0.50の高い気密性能が確認できた。
高気密高断熱としたことで、冷暖房の運転を補助的にするだけで、開放的、快適に過ごせる生活が実現した。
素材について、外壁は長期的なメンテナンス性を考えて無垢の杉板とし、部分交換が可能な納まりを採用した。内装も紙クロスや無垢板などなるべく自然な素材を使用し、建物全体がCGで描いたような無機質なものにならないよう、温かみのある空間を目指した。
施工して頂いた三沢建設からは、大工の技術力が高く、過去にも高気密高断熱住宅を施工した実績と経験を元に、現場での施工方法や各部の納まりについて適切な提案を頂いた。
厳しい予算の中、妥協なく丁寧に施工いただき、お陰で設計図面以上の建物が実現できた。
後記:スカイカラーズ合同会社 青山泰
コンセプトムービー
360度カメラ
※マウスや指で動かすことができます。
インタビュー
取材:2020年日1月19日
14時~120分程度
Q1. 三沢建設の住宅を選んだきっかけは?
A1.設計者のスカイカラーズ(同)青山さんのご紹介でお付き合いが始まりました。
Q2.特にこだわったところ、要望を伝えたところ
A2.主人が音楽好きでCDをただ収納するだけではなく、インテリアの一部として活かせないかと相談させていただきました。
Q3.工事中はどのような気持ちで見守っておられましたか?
A3.暑い中大工さんたち頑張って作業されてるなぁと見ていました。毎日家が建っていく変化を楽しみにみていました。
友人や近隣の方も一緒に見守ってくれました。
Q4.新居での暮らしはいかがですか。
A4.木の匂いがして心地良いです。
冬でもとても暖かく、生活しやすいです。
Q5.家を持ってから自分の生活で変わったところ、良くなったところ
A5. 子どもの様子を見ながら台所に立てるところ。また、睡眠の質が良くなりました。
Q6.この家のお気に入り部分を教えて下さい。
A6.リビングからの眺め。特に夕日が綺麗に見えます。
Q7.子育てをする上で、この家の良かったところは?
A7.エアコン1台で非常に暖かいところ。
新居で暮らし出してから、以前使っていた厚手のパジャマが不要になりました。
Q8.住宅購入を検討しておられるお客様にメッセージやアドバイスをお願いします。
A8.振り返ってみると、好みや感覚の合う設計士さん&工務店さんに出会えたことが1番良かったと思います。
家づくりを進めていくと細かいところまで考えられなくなってくるので、基本的にお任せにしていたらとても素敵な家が完成しました。