棚田のある谷筋に建つ古い木造の家
棚田のある谷筋に建つ古い木造の家の水廻り(洗面脱衣室、浴室、トイレ)のリフォーム。
棚田の四季の移ろいと棚田に水を育む山の姿を望める位置に開口をあけるところから計画はスタートしました。
なるべく既製品は使わず素朴な材料でつくることを心掛けました。洗面台はメーカーの既製品ではなく家具工事とすることで建築と一体感のあるつくりかたができました。
開口部もアルミサッシではなく大工職人と建具職人につくってもらうことで風景を切り取るピクチャーウィンドウとしたり、部屋と部屋を連続させる工夫を取り入れることができました。
シナベニヤ、ラワンベニヤ、EP塗装、構造用合板、ヒバ、松の無垢フローリング、モザイクタイル・・素材はピカピカした新建材を使用せずシンプルで親しみの持てるものを選びました。
照明も天井につけることをやめて灯りの重心を下げ、落ち着きのあるリラックスできる水廻りができたと思います。
設計;宇田川孝浩建築設計事務所 http://uda-archi.com/index.html
施工:みざわ建設
用途 | 住宅 |
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構造規模 | 木造2階建 |
施工日 | 2019年11月 |
場所 | 島根県奥出雲町 |
洗面脱衣室。
造作(家具工事)の洗面台と鏡。材料は赤身の強いラワンベニヤ。
既製品と異なり建築と一体となったデザインが可能です。
洗面ボウルは病院流し TOTOSK106 住宅用には無い大きさで使い勝手が良いです。
地窓のサッシは通風用。
洗面脱衣室と浴室を仕切る壁には大工さんの造作枠と木製建具を設え、連続感や広がりが生まれるように工夫しています。
天井の板は青森ヒバ。枠、建具框もヒバで揃えました。水廻りで使用しても安心感があります。
開口と家具の関係。既製品ではつくり出せない一体感や動き。
一日の光の変化、四季の移ろいを取り込むピクチャーウィンドウ。
この窓はアルミサッシではなく、造作でつくっているので寸法も自由。枠を消し、風景を切り取ることができます。
浴室。浴室もユニットバスではなく造り付け。
天井、壁は青森ヒバの板張り。床、腰壁はモザイクタイル。
浴室の照明も低い方が落ち着きますね。
ユニットバスと異なり開口部の位置・大きさが自由です。
湯船につかりながら庭の植栽を楽しめる開口となりました。
トイレ。
シナベニヤの手洗いカウンター。和紙調のプリーツスクリーンが木漏れ日を映します。
今回床のフローリングは全て松の無垢材にオスモ塗装としました。素足でも心地よいです。
廊下のつきあたりは全面ガラスとして光の壁ができました。洗面脱衣室の出入り口は天井いっぱいの高さに。建具はラワンベニヤのフラッシュです。
晩秋の頃。
(撮影 宇田川孝浩)
初雪の頃。
(撮影 宇田川孝浩)
初春の頃。
(撮影 宇田川孝浩)
初夏の頃。
ガラス越しの内と外の緑。
(撮影 宇田川孝浩)
シナベニヤのカウンターと構造用合板の見切縁。
既製品の化粧建材には無い親近感があります。
(撮影 宇田川孝浩)
before (浴室)
(撮影 宇田川孝浩)
before (トイレ)
(撮影 宇田川孝浩)
写真撮影 岡田泰治(特記あるものを除く)